乳がんの治療で乳房を切除したことによる外見の変化に戸惑っている方も多いのではないでしょうか。今回お伝えしたいのが「人工乳房」という選択肢についてです。本記事では「なぜ人工乳房なのか」「人工乳房とは何か」「どう選ぶのか」「生活はどう変わるのか」について詳しくお伝えします。

なぜ人工乳房が必要なのか？人工乳房は外見の変化をカバーする選択肢のひとつ

乳がんで乳房を全摘した自分の姿を受け入れるのは簡単にできることではないと思います。いちど自分の外見に違和感を持ってしまうと、自信を失い、人前に出ることが不安になってしまうことも・・・。

おそらくほとんどの方が乳房の再建について考えた経験があると思いますが、迷った末、すぐには再建しないことを選ぶ人も多いようです（病状により再建を選べない場合もあります）。とはいえ、乳房を全摘した状態で手術前と同じ服を着るとどうしても違和感を感じてしまったり、温泉のように裸になる場所に行きにくくなるなど、喪失感や不自由さに落ち込むこともあるでしょう。

乳房切除によるQOL（生活の質）の低下のお悩みの中でも、外見ケアの部分については、人工乳房という選択肢でカバーすることができます。

人工乳房は摘出後の乳房部分にシリコン等でできた疑似乳房を装着することで、健側との膨らみの左右差を整えてくれるものです。さらに、オーダーメイドであれば膨らみの特徴や、質感、血管などの細部まで自身の乳房に近づけることができます。

人工乳房を使用することで、身体のラインが出る洋服を着たり、温泉などに入ることも可能になるなど、手術前は当たり前だったことを我慢しなくてよくなるというメリットがあります。

ここから、人工乳房について少し深堀りしていきます。

人工乳房とは？とりあえず知っておきたい人工乳房の基礎知識

人工乳房とは、乳がんの手術などで乳房を失った方が使用する人工的な疑似乳房です。ケガや事故、先天性疾患などによる身体の欠損部分を補うエピテーゼの一種で、簡易なものから限りなくリアルさを再現したものまでさまざまな種類のものがあります。

人工乳房について正しく知ることで、乳がんになったときの選択肢の一つとして考えやすくなるはずです。

人工乳房ってなんて読むの？

人工乳房の正しい読み方は、「じんこうにゅうぼう」です。

乳房を「ちぶさ」と読むことができるので、「じんこうちぶさ」と読まれることもありますが、「じんこうにゅうぼう」が一般的です。

人工乳房の役割について

人工乳房は身体の欠損部を補うエピテーゼの一種で、主に乳がんの手術で乳房を失った女性の乳房を再現するために使用されます。単純に胸が無いことをカバーする以外にも、お胸の膨らみや重さの左右差を補うことで、下着の違和感をなくしたり、身体のバランスの崩れを防ぎやすくなります。特に、オーダーメイドであれば個人差を含めた細部まで再現できるのでより大きな安心感に繋がります。

人工乳房と乳房再建の違い

乳房再建は、自家組織の移植またはインプラントで切除した乳房を再建する外科手術です。再建手術で埋め込むシリコン製のインプラントのことも人工乳房と呼びますが、お胸に貼り付けるタイプとは全く別物です。この記事で説明しているお肌の上から貼り付ける人工乳房は、手術を必要とせず気軽に着脱が可能です。まるでアートのように乳房を精巧に再現できたり、身体への負担がないことがメリットです。

関連記事：乳がんで乳房を再建しないメリットと新しい人工乳房

人工乳房は何でできているの？

人工乳房は主にシリコン製です。皮膚に貼り付けて使用する人工乳房は、専用の接着剤を使うか粘着シリコンを使うかなど、付ける手段が異なるようです。治療で敏感になった皮膚に直接貼り付けるため、シリコンや接着剤などの素材の質がとても重要になります。もし素材の質が悪ければ、肌に触れたときにアレルギー反応を起こし、皮膚を傷つけたり、術後間もない場合は術痕まで悪化させてしまうかもしれません。

ブレストケアヌーブラは何でできているの？

ブレストケアヌーブラはシリコン100%です。医療用にも使われる高品質なシリコンを使用していて、皮膚パッチテストをクリアした安全性が高い人工乳房です。

ブレストケアヌーブラを付けるときに接着剤は必要？

ブレストケアヌーブラは接着剤不要です。内側のシリコンに粘着力があるので、そのまま貼り付けるだけで大丈夫です。ブレストケアヌーブラは永久的なものではなく消耗品ですが、正しい方法で洗えば粘着力が戻って繰り返し使用できますし、多少動いても簡単に剥がれ落ちることもありません。

どうやって人工乳房を選べばいい？装着のメリットとデメリット

人工乳房は、実現したいことをイメージしながら選ぶのがおすすめです。

例えば、「温泉旅行に行きたい」とか「好きな服を着たい」など、具体的なイメージがあれば、それを実現するためにどのような人工乳房が必要かということがわかりやすくなります。その他のポイントとして、経済的な負担のことも考えなければならないので、目的と費用のバランスが大切です。

人工物だとわかりにくい人工乳房のメリットデメリット

見た目で人工乳房であることに気付かれないようにしたい場合は、オーダーメイドで可能な限り精巧なものを製作してもらうことになります。乳房は個人差が大きいので、正確に再現するためには専用サロン等でのフィッティングが欠かせません。

オーダーメイドのメリット

3Dスキャンを使って体型を読み取り、身体に合わせた乳房の形を設計します。さらに手作業で細部を調整したり着色をしていく…という工程になるようです。乳房の形だけでなく、乳頭や乳輪、血管の色まで細かく再現可能なので、初見では人工物とわからないレベルになります。オーダーメイドの人工乳房は、見た目がほぼ手術前の自分のお胸と変わらないので、乳がんになる前に近い気持ちで日常生活を過ごせるかもしれません。水中での使用には可否がありますが、タオルでお胸を隠したりせずに温泉に入るなどのチャレンジをしてもいいかも。

オーダーメイドのデメリット

オーダーメイド人工乳房の最大のデメリットは、何よりも高額なことでしょう。20万円〜50万円くらいの価格帯のものが多いようです。乳房は加齢や乳がんの治療の影響で、形状や質感、皮膚の色などが変化していくことも考えられます。オーダーメイドにする場合は、製作のタイミングやアフターサービスなども調べておいた方がよいかもしれません。

アピアランスケア事業を進めている自治体では、人工乳房購入のための助成金申請ができますので、お住まいの地域の自治体が該当するかどうかもチェックしてみてください。。

日常生活で使いやすい既製品のメリットデメリット

日常生活で人工乳房を使用する場合は、乳房そのものを人目に晒すことがほぼないので、オーダーメイドほどの緻密さを求めなくても良いかもしれません。選ぶときは、形状、質感、重さなどが自分の体型や健側のお胸と合うかをもとに選びます。

「それなら乳がんパッドでいいのでは？」と感じるかもしれませんが、着用感が大きく異なります。

既製品の人工乳房のメリット

既製品はオーダーメイドに比べて大幅に安く購入することができます。一般的な人工乳房は数十万円しますが、ヌーブラの人工乳房、ブレストケアヌーブラは2万円以下で購入可能です。ご自身が求める品質のレベルや使用目的に適うものであれば、高コスパのアピアランスケアアイテムとして活用していただけると思います。

日常使いはもちろん、ドレス着用時やスポーツなど、ブラジャーを併用すればほとんどの場面で効果的に使えます。

既製品人工乳房のデメリット

既製品の場合、使用者の身体的な個人差に対応することができませんので、裸になったときに人工乳房だということがわかりやすくなってしまいます。オーダーメイドは使用者に細かく最適化できるのに対し、既製品は多くの人が利用できるよう汎用化されたものなので、その商品が使用者に合うかどうかで選ぶことになります。裸に人工乳房を着けていることを気付かれたくない場合は、既製品で対応するのはやや難しいと思います。

乳がんパッドと比べた人工乳房のメリット

一般的な乳がんパッドはブラジャーのパッドポケットに入れて使うため、少し動いただけでもパッドがズレてしまうのが不快です。人工乳房は直接お胸に貼り付けて密着するため、ほとんどズレる心配がありません。手で持ったときにはずっしりとした重みを感じるかたもいらっしゃいますが、お胸に貼り付けると不思議なことにさほど重量を感じないので、長時間の着用でも楽に過ごせます。

人工乳房で生活の何が変わる？日常生活に与えるポジティブな変化

気軽に使える人工乳房があることを知っていれば、乳がん手術後の生活の選択肢が増えます。「手術を受けたときは再建するかしないかの2択しかないと思っていた」という声を聞くことも多いので、人工乳房の存在そのものを知らなかったり、知っていても高額なイメージから検討しなかった方が多いのかもしれません。

乳がん術後の選択肢の例

• 乳房を再建する
• 乳房再建しない→そのままorパッド
• 乳房再建しない+人工乳房

価格が高いことがハードルになっていた人工乳房は、ブレストケアヌーブラの発売により気軽に「試してみようかな」と思っていただけるものになりました。サロンで試した方の感想を少し紹介します。

• 思ったより着けると重さを感じず付けやすかったです。
• 実際に試着してみて、見た感じもよく来て良かったなと思った。
• とても楽しくできました。未来が明るくなりました！
• 思っていたサイズと違ったので、試着できてよかった。貼るだけじゃなくてパットとして使用できるのが便利。触り心地がとてもいい。
• コンプレックスがなくなり良かった
• 肩に何もなくすごく嬉しいしめちゃくちゃ楽
• 再建の方の胸を見て、良いなとは思ったが、また手術となると…。ウォータードロップを触って、こんなのもあるんだと思った

はじめて人工乳房を試すならヌーブラの人工乳房がおすすめ

ブレストケアヌーブラは、身体への負担やインプラントによる感染リスクの心配がありません。また、身体を再建と同様のシルエットに整えることができるので、ファッションの自由度が広がります。これがあれば、「乳がんだから」と遠慮する必要もありません。また、他の人工乳房と比べて金額が大幅に安いのも魅力です。

1万円台から使える人工乳房は、人工乳房が初めての方や、新たな選択肢として試してみたい方におすすめの商品です。

日常使いはもちろん、ドレス、ユニフォームなど、ブラジャーと合わせればいろいろな場面で使えます。着用することで外見の不安が少しでも和らげば、気分が上がり、これまで以上にアクティブに過ごせるはずです。はじめて人工乳房を試してみたい方、現状の人工乳房に違和感がある方、乳がんパッドのズレに困っている方は、ぜひブレストケアヌーブラ・ウォータードロップを一度お試しください。